「ひとり天龍」序章 第三話 九頭龍、構える

投稿者:Material 204926 1 mini 井戸乃博士 投稿日:2014/09/01 08:31



「ひとり天龍」序章も三回目となったな。
我は案内役の威風君(いぶき)。
今回はもう一人、我が友を紹介しよう。


わしは犬走流石(いぬばしり さすが)と申す。
威風の君を守り神とする忍の一族、狗神衆の頭でござる。
言うなれば、ここにおわす威風君の下僕とでも言おうか。
以後、お見知りおきを。


堅苦しいことを申すな。
我は、そなたを下僕と思ったことは一度もないぞ。
付き合いの長い友と言ったところだろう。


しかしまあ、お主も三上に古くからいる「神」なのだからな。
我等人間にとっては畏敬の念を忘れてはならぬ存在だ。
お主は三上の神々の中でも人間に近しいほうだが・・・


おっと、あんたどこかで見た顔だな?
まあいい、俺は九頭龍覇様だ!
九つの頭の龍に!
「全国制覇」の「覇」!「殿様蛙」の「様」だ!
よぉく覚えておきな!


ああ、貴殿が九頭龍殿か・・・存じているよ。
なるほど、初対面の相手に律儀に自己紹介するとは、
威風君の言ったとおりだな。
わしは犬走流石だ。よろしく頼もう。


自己紹介は済んだか?
今回は、首尾よく敵城を攻略して
自分の城を手に入れたときのことを説明しよう。
九頭龍よ、そなたが話してくれぬか?


なるほど、領地を治める話か。
わしも狗神衆を統率する立場として、
小規模ではあるが城を治めている。
貴殿が領地でどのような治世を行っているか興味深いな。


あんたも城を治めているのか・・・
そういや、あんた前の回で俺と戦ってなかったか?
ってことは・・・


まあ、その話は置いておくとしよう・・・
ところで領地を治めるからには、
戦略を練らなければならぬな。
土地を開墾して国力を高めたり、
兵士を集め武力を強化したり、
また敵の動向を偵察したりといった具合だ。
貴殿は、どのような戦略で領地を治めるつもりかね?


そうだな・・・そういう織田信長みてえなことを、
やってみてえのはやまやまだけどよ、
あいにく人がいねえんだよな・・・
土地を耕す奴も、兵士になる奴も足りねえ。
俺にできることって言うと、
割り箸で城作るとか、城の絵を描くとかそんなもんだ・・・
あとは良さそうな城を探して、ひたすら攻めるって感じだな。


・・・


一国一城の君主にしては、
非常に質素な暮らしぶりだな・・・
では九頭龍よ、城でできることを具体的に教えてくれ。


そいじゃ、簡単に説明してみるか・・・
あまり語ることもねえんだけどな・・・
とりあえず、どの城にもあるものって言うと・・・



回復所


どの城にも、いつでも休める場所がある。
体力と気力(MP)が前回するぜ。もちろんタダでな!
寝たいときに寝れるってのは城主の特権だよな。


まあ自分の城なのだから、
城主が好きな時に休める場所があるのは
むしろ当然ではないかと思うが・・・



ヒデキチ


こいつはヒデキチと言って、
俺の才能に惚れて自ら家臣に志願してきた見上げた野郎だ。
情報収集が得意で、良さそうな城を探してくるように言ってある。
次にどこへ行けばいいかは、だいたいこいつに聞けばわかるぜ。


この者は・・・猿・・・か?
野生の動物が家臣とは、
ずいぶんと個性的と言うか何と言うか・・・


狼を連れてる奴が、それ言うかよ?!
俺は来る者は拒まねえ主義なんだよ!
ただでさえ人手不足で贅沢言ってられねえからな・・・


良いことではないか。
自然に住む者と共存するのは大事なことだ。
中には人間の能力を超える者もいるだろう。
家臣に取り立てても何ら不思議はないと思うが?


確かに我等も動物の力を借りているからな・・・
能力と信頼があれば、人間であろうとなかろうと、
些細な違いかもしれん・・・いや失敬した。


ときどき間違うこともあるけどな、
知識の幅は広くて、
役に立つことも無駄なこともよく知ってる奴だ。
余裕があったら話を聞いてみるといいぜ。



商人


城のある所には、たいてい商人がやって来るな。
必要な道具はここでそろえるのが基本だ。
城によって売るもんや値段が違うから、
手に入れた城が増えてきたら、比べてみるといいだろう。


商人は人のいる場所に寄ってくるものだからな。
だが、足下を見られないように注意することだな。
商談というのは、ひとつの駆け引きだ。
交渉して有利な取引に持ち込む技術が必要だぞ。


いや、そりゃできるんなら、そうするけどよ・・・
なにぶん自分で全部やらなきゃいけねえから、
そこまで気が回らねえんだよな・・・


どうも心許無いな・・・
交渉だけではない、
兵力を高めたり、財源を確保したり、
治世には多様な能力が必要になるのだよ。
誰か有能な人材を探してみてはどうかね?


そうですね。
探してみれば意外なところに、
優秀な人材がいるかもしれませんよ♪




これは、これは・・・
どなたかな?
このご婦人は・・・


また、見覚えのある顔が出て来たな・・・
俺は九頭龍・・・


九頭龍、長くなったので、
自己紹介は別の機会にしてもらおうか・・・
では次回にまたお会いしよう。


次回は、このゲームを複雑にしている要素の一つ、
ステージの再挑戦について説明します。
お楽しみに♪




diver_ryuさんが九頭龍さまの絵を描いてくださいました!
川の流れに佇む九頭龍さまが颯爽として素敵です♪
九頭龍さまの不敵な性格がよく表現されていると思います。
この場を借りてお礼申し上げます。

リンクはこちらです。



    「ひとり天龍」序章 第一話 九頭龍、現る
(前回)「ひとり天龍」序章 第二話 九頭龍、疾る

コメントする

コメントするには、ログインする必要があります。

コメント一覧

         mini mifa(投稿日:2014/09/02 09:24, 履歴)
こんにちは、おサルが2匹いる!?

白虎は、ご自身でドット打たれたのでしょうか?
これはいいですね。自宅に、持ち帰りたいです。
渋いキャラも、出てきて、うれしい限りですね。

ラヴィアンさん、なかなかゲームに食い込んでくるのですね。
ステージごとにアイテムをくれるような、イベントキャラなのかなと、思っていたので、
普段から、ちょっかい出せそうな雰囲気に、期待です。
Material 204926 1 mini 井戸乃博士(投稿日:2014/09/05 04:26, 履歴)
渋いと言っていただき、かたじけない。
こうして様々な評価をいただけるのは、
冥利に尽きますな。


尽きますな、じゃねえよ。
お前、絶対いきなり現れて、
漁夫の利でおいしいとこをかっさらって行くタイプだろ?!
ったく、食えねえ野郎だぜ・・・


ドット絵は、お借りしたもの以外は、基本的に全部手打ちです。
時間がかかっている原因は大部分がこれのせいです・・・
お猿さんは頻繁に登場するキャラなので、
覚えておいて損はないと思いますw実は兄弟の猿なんです。
私はストーリーに直接は絡んできませんが、
仲間にいると何かと便利なキャラとしてどこかに登場する予定です。
プレイの際はぜひ探してみてください♪
User icon mini yukiyashiro(投稿日:2014/09/01 12:26, 履歴)
白虎の像、スゴイ!迫力とリアルさがあってカッコイイです!
犬走さん…カッコイイ♡

シュトゥルム、下僕ですってよ!
僕だって自分のことをそんな風に思ったことはありません!


何を言っている、お前は私のことを君主だと崇める一方で、
腹の中では黒いことを考えているくせに。


しかし下僕ですよ…!破廉恥です!


意味が分からん!


動物がすごく活躍しそう!
動物と仲良いのが当たり前のゲームをやるの、楽しみです!
Material 204926 1 mini 井戸乃博士(投稿日:2014/09/05 04:08, 履歴)
お褒めにあずかり、恐悦至極に存じまする。
下僕という表現にこれほど食いつきがあろうとは、
予想外の成果でござった。


成果・・・と言ってよいのか・・・?
それにしても、
このお二方の関係は一筋縄ではいかぬようだな・・・
何か淫靡な雰囲気を感じるのだが・・・


今回の作品の隠れたテーマとして、
土地に古くから住んでいて信仰の対象となっている存在と、
外部から侵略してきた異教の存在との対立があります。
結果として、霊的な力を持った動物が活躍することが多くなりました。
気が付くと、人外の割合が非常に高くなっているのですが・・・
Cdv30200 aoi icon mini aoihikawa(投稿日:2014/09/01 08:44, 履歴)
今回も豊富な画像付の紹介で
要素がわかりやすいですね

単調な内容だと、
途中で飽きてしまう場合もありますから
こういった、いろいろな仕掛けを用意しておくのは
良いアイデアですね
Material 204926 1 mini 井戸乃博士(投稿日:2014/09/05 03:57, 履歴)
かたじけのうございます。
今回、内容自体は大したものではないので、
演出面を盛り上げてみた次第でござる。
世に言うテコ入れというやつですな。


アクションゲームとして基本的な部分は、
極力シンプルに作っておりますが、
直接関係しないおまけの部分は無駄に厚く作っています。
ご興味のある方はやってみてください、という感じですね。